• テキストサイズ

ゆるりふわり

第1章 鳥来月


*沖田side*

並木沿いに咲く桜の花びらが頬を撫ぜる。
顔を上げる。雲ひとつない空。
昨日の転校生のことを少し考えて
それから再びイヤホンから流れる小噺に意識を戻し
眠たさでふわふわする体で俺は学校へ向かった。



「おはよう 沖田くん」
「…おはようございまさァ 転校生」

転校生が突然話しかけてきた。
緊張してるのか チャイナ娘とかに向ける顔より
少しこわばってやがる。

「聞こえてるんだ よかった
イヤホンしてるからちょっと不安だったんだ
何聞いてるの?」
「聞いてみますかィ?」
「え」

俺は片方のイヤホンを外し
転校生の耳につっこむ。
転校生はしばらく何も言わず落語を聴いていた。

「ほんとに落語なんだ びっくりしたー」
「俺が落語好きなの 言ってやしたっけ?」
「銀八先生に聞いたの まさかほんとだとは思わなかったけど…
なかなか渋い趣味だね」
「そりゃどーもでさァ」


/ 14ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp