第9章 Doll House‐領主の勤め‐2
綾に手伝ってもらい衣服を整える
(さぁ…今日も仕事の時間だ…)
『旦那様こちらを…黒い仮面にございます。』と
綾が控えめに差し出し着けてくれる。
「すまない…だいぶ待たせてしまったな朝輝、綾、みな支度は整っているのか?」
領主の証である黒い仮面を着けた隼人の空気が変わる
(やはり貴方は私のご主人様ですね…そのお姿の凛々しいこと…見惚れてしまいます。)
「『はい!すべて整いましてございます。』」
「では、行こうか…」
―コツコツと静かな廊下を歩く―
「朝輝、今日は何人だった?」
ふと気になり訪ねてみる
「はい。今日は6人でございます。少し華奢な方もおられますが…どのお嬢様方もお美しくあられます。
旦那様のお気に召す方もおられるかと…」
しかし私の言葉が気に入らないのか旦那様は暗い顔をなさる…
「朝輝が薦める女達か…お前の口からはあまり聞きたくないな…」などと拗ねて口を尖らせる。
そんな姿が私を煽るというのに…
「旦那様…私との約束お忘れですか?」
―あぁ…たまらない…―