第10章 Doll House‐領主の勤め‐3
朝輝が意地悪な顔をしてこちらを見ているのはわかっていた。
しかし僕は恥ずかしくて顔があげられず
「そっ…れはわかってる…」と小さくこぼす。
綾はそんな旦那様達のやり取りを微笑ましく思っていた。
『旦那様こちらでございます。さぁ…皆さまがお待ちかねでございますよ。』
―ガタンッと重い扉が開く―
6人の乙女達が音のする方へ顔をあげる
「私は領主隼人様の執事、朝輝と申す。
領主様がおいでになられた、皆挨拶をせよ」
《領主様ご機嫌麗しゅうございます》
「皆さまお待たせして大変申し訳ありませんでした。ようこそ【Doll House】へ
僕がこの村の領主 月影 隼人です。
この村の事は王家の方々から説明を聞いているかと思いますが…」
と隼人は少し言葉を詰まらせる
そして深く息を吐き、こう彼女達に問いかけた…
「ここは、【女】としての幸せを得れる場所じゃない…その事をもちろん理解されている聡明な皆さま方にあえて問います。【私に抱かれる覚悟】はありますか?」
―突然の問いかけに女達は少しザワついた―