第18章 Doll House‐媚薬の罠‐4
―黒い薔薇が咲き乱れる【cradle】とは正反対に、もう1つ満月の夜にだけ花開く白い薔薇の【cradle】がある。
光と闇が対なように…
この建物も【Black Garden】と同じ造りになっている…
ここは【White Garden】領主の血が受け継がれし場所…《マリア》が宿る聖地なり…―
今宵も満月の夜に甘く香り花開く
白き薔薇が咲き始める…
(白い薔薇が咲き始めたな…そろそろかなぁ…)
ガラス張りの鳥籠の中…1人の男が主人の到着を待つ…
―カチャリ―と白い扉が開かれる…
「春輝待たせ…うわッ!!あぶなッ!」
扉が開くと同時に主人に飛び付くひとつの影…
「隼人さまっ!隼人さまっ!遅いです~俺ずっっと待ってたんですよ!えへへ~偉い?偉いですか?」
そう言ってぎゅーっと抱きついてきた。
僕はびっくりして、よろけてしまう
「ととッ…春輝…急に危ないだろ?でも待たせてすまなかった。」とごめんのつもりで僕も抱きしめかえす…
「なぜ春輝がここへ?朝輝はどうした?朝輝に何かあったのか?」
まさかの春輝に隼人は戸惑い矢継ぎ早に不安を口にする。
しかしさすがは兄弟…大好きなご主人様を腕の中に閉じ込めているのに、他の男の名を口にされればスイッチが入るわけで…
せっかくのチャンスを素直に逃すわけもなく
「隼人さま…朝輝、朝輝うるさい…兄貴ばっかり隼人さまを独り占めしてずりぃよぉ~俺の事も呼んで?
春輝ってもっと呼んでよ…ねぇ…隼人さま…」
そう囁いてキスをした。
「んんッ!ちょっッ」
僕は忘れていた…春輝は朝輝以上に肉食だということを…
「春ッ…やぁ、ちょっま…はるぅ…あんんっ…」
―わずかに開いた唇から春輝の舌が入り込む…逃すまいと激しく舌を絡ませ深く口づける…―
くちゅくちゅ、ぴちゃっ…
「んんッ!ダメだよそんな顔しちゃ~ヤバいエロすぎ…俺以外に見せたくないなぁ…ほらッもっと…声聞かせてよ?」
―可愛い隼人さま🖤―