第13章 Doll House‐問いかけの答え‐2
【例の物】とは媚薬の事…
男が飲めば普通の物とは変わらず即効性があるだけだが…
しかし、女が飲めば一夜の交わりで必ず妊娠してしまう優れ物である。
これは【月影家】に伝わる秘薬であり代々領主が受け継ぐ物
そしてそれを管理するのが領主の執事である。
(騒がしいな謁見の間か?綾はいったい何をしている?はぁ…やれやれ女とは本当に五月蝿い生き物だ…)
―後の処理は任せる―
颯爽と部屋を出ていかれる旦那様に綾は深々と頭を下げる。
しかし女達はまだ納得がいかないようでまたお互いを罵りはじめた…
―領主さまに気に入ってもらえなかったのは!おばさん達が~がッつき過ぎたせいですよぉ~私が1番若くてぇ~可愛い🖤筈なのにぃ~―
―はぁ!?なによ!小娘ごときが最初から領主様が相手にされるわけないじゃない♪―
―せっかく褥でこっそりとお顔を拝見するつもりでしたのに…残念ですわ…―
―王家と繋がりのある方の側にいれば私も王族の仲間入りになるチャンスがあったかもしれないのに―
―今からでも遅くありませんわ!追いかけましょうよ―
女達は騒ぎ立て今にも部屋を飛び出しそうな勢いに
私は軽い苛立ちを感じつい大きな声を上げてしまう
『お待ちくださいッ!!貴女方は旦那様に選ばれなかった!何故かお解りになりますか?先ほどの問いかけの答えを…』
女達は綾を凝視して嘲笑う…
―抱かれる覚悟はあるかと聞かれ、ハイと答えたまで…それが何だと言うの?―