第11章 Doll House‐領主の勤め‐4
《そんなの当たり前ですわ》と女達は口々に騒ぎはじめる
―わたくしが領主様を満足させてみせますわ―
―いえ、アナタには無理じゃなくて?―
―領主さまぁ~🖤こ~んなおば様達より~
若くて尽くしてくれる1番可愛い私が良いですよね―
―私と領主様のお子ならそれは素敵なお人形さんになりますわ♪―
―なによ!あんたたち!ほんと図々しい女ね!―
隼人の問いかけにお互いを罵り合いはじめた女達…
(あぁ…本当に五月蝿いですねこの女ども…この問いかけの答えが旦那様の心を決めるとも知らずに)
私は旦那様に近く寄り耳元で
「はぁ…申し訳ありません。やはり今回も収穫がなさそうですね、困りました。いかがいたしますか?」
もうお開きにしますか?と聞いたその旦那様の視線は1人の女性を見つめていた。
そしてその女性もまた静かに旦那様を見つめている。
(おや?これは…)
出過ぎた事をしたと朝輝は一歩下がり後ろに控え直す。
騒ぎ立てる女達を気にする事なく静かに強く旦那様を見つめる瞳
そんな中…旦那様の声が響く
「もう結構です。皆さまのお気持ちは良く分かりました!僕はこの方を選びます。」
―颯爽と真っ直ぐに華奢なあの方へと―