第21章 年越し
誰かに頭を撫でられる感覚で目が覚めた。
今は自宅に一人のはずだ。遂に寂しすぎておかしくなったのか?
心配になりながら目を開ける。
そして部屋を見渡そうと首を動かす。
??「あ?起こしちゃった?」
そういって優しく微笑むその人物は何時もの尊の隣にいてくれる頼れる先輩
「浅にぃ…?」
喉が渇いてだいぶ掠れた声になってしまった相手は聞こえたらしい。「んー?」と微笑みながら頭を撫でてくれた。
そこでやっと意識が覚醒してきた尊。
慌てて体を起こした。
「え、なんでっ…いるんですかっ、bpmの方たちと飲むんじゃ…」
浅沼「いやぁ、行こうとしたんだけどね…?」
そう言うと「ははっ」と乾いた笑いをこぼした浅沼。あまり触れられたくないのか「お腹は空いてない?簡単なものなら作るよ?」と聞いてきた。
「…あんまり食べたくない…です…」
浅沼「そっか…ならお粥は?少し食べてちゃんと薬飲まないとね」
「じゃ…それで…」
浅沼「ん、了解。出来るまでまだ寝てて良いからね?」
頭を一撫でして部屋から出ていく浅沼。それを見届けて尊はもう一度眠りについた。