第15章 脱・居候
「あ!そういえば!!えぐさん、よあそびで私が泊まるって言ったんですよね!?あれから通知がとまんないんです!!特に浅にぃからの!!」
「ほら!」と言いながらケータイの画面を見せてくる尊。
確かに浅沼の所だけ通知が凄かった。
江口「うお、ほんとだ…すげぇwwww」
「もう怖くて通知開いてないです」←
江口「え、それ…ヤバくない??」
「毎晩電話してるんで大丈夫ですよ(笑)…いつまで私を子供扱いするんですかね…」
不貞腐れながら残り少ないチューハイを煽る。
そんな尊を見ながら「浅沼さんも大変だなぁ…」と他人事のように思う江口。
その反面、そんな関係が羨ましいとも思う。
もし、最初に…浅沼よりも先に尊に会ってたらこんな関係になっていただろうか?
そんな事を思う時がある。
(…なに考えてんだか…)
江口ももう子供ではない。
この感情の名前なんてとうの昔に知っている。
このどろどろとした感情を流し込むように麦酒を飲み干す。
空になった麦酒の缶。
何時も飲んでいるはずの麦酒は今日は一段と苦く感じた。