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【進撃の巨人】月明かりのあなた【リヴァイ落ち】

第12章 遠い記憶


ー遠い記憶ー 番外編①

(私はいつもイリス隊長の暖かさに守られてきた気がするんです。)

リンが何の恥ずかしげもなく真っ直ぐな瞳でそう言ったのを聞いて、私は珍しく過去を思い出してしまった。


ー5年前ー

??「イリスはすごいよ!医術にも秀でているし。何より、こんなにも多くの人を救うことができたのだから!」

そう言って、自分のことのように喜んでくれた彼の名はアンドリュー・ネイツ。私と同じく憲兵の医務官を務め、そして私のかつての恋人だった。

イリス「全く...。アンドリューは大げさなんだから。私はできることをやっただけ。やるべき仕事をしただけよ。」

アンドリュー「イリスが何をいったって、どんなに冷たい顔を作って見せたって、俺には分かるんだよ。お前は暖かい。俺はそんなお前の暖かさにいつも守られているような気がするよ」

初めは、憲兵の医務官としての仕事が主だったが、情勢が変わり、組織が変わるたび、だんだんとその姿を変えていった。私たちは、死体処理班と呼ばれるようになり、人を助けることよりも、憲兵が極秘で殺した人間や、罪を犯して死刑となった犯罪者の死体を処理することが多くなっていた。

アンドリュー「イリス...俺は、時々おかしくなりそうになるんだ...。人を助けるために医務官になったのに、今では死体を処理するだけの組織だ。」

イリス「仕方ないよ...。憲兵たちは怖いのさ。上に逆らうとどうなるかを自らが取り締まることで実感している。きっと、またいつか、まともな仕事ができるようになる...今はそれを信じよう」

私たちは、お互いの人間性を失わないためにも温もりを感じあった。

ー2年後ー
憲兵「ウォールローゼの移民が多い区域で伝染病が満映しているらしい...。王都に広がることを阻止するためにも、何としても食い止めてこい」

上からのお達しが出て、私たちはウォールローゼへと向かった。そして、力を尽くして医療を行なった。しかし、そのせいでアンドリューまでもが伝染病にかかってしまった。
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