第12章 遠い記憶
モブリットside
昨夜、ハンジ分隊長に呼び出され、リンの買い物に付き合うように言われた。
ハンジ「最近、リンはますます綺麗になってきてるよね〜。この前なんかも、普段偉そうにしてる議会の連中が噂を聞きつけて覗きにきていたよ。これじゃ、そのうち決まった人ができてもおかしくないね〜」
分隊長は見透かしたような口ぶりでそう言った。
モブリット「つまり、何がおっしゃりたいんですか..?」
ハンジ「そこでだ!モブリット...君にチャンスという名のある作戦に参加してもらいたい!」
それが、今回の買い物だった。分隊長は俺のリンへの気持ちにとっくに気づいているようだった。俺はリンに出会ったときから惹かれていたが、今までは兵士としての覚悟の邪魔になると切り捨てていた。だが、ここ最近、リンに好意を寄せるやつらを見てから気持ちが抑えられなくなっていた。
モブリット「チャンスという名の作戦か...。この大きくなってしまった気持ちに、いつかは向き合わないといけないと分かっていた。これは、確かにそのチャンスになるのかも知れない...」
そうして俺は、分隊長に指定された集合場所へと向かった。