第12章 遠い記憶
ルーカスside
昨日突然シナに言われて、今俺は街の噴水広場にいる。だが...
ルーカス「モブリットさん...。なんであなたもここにいるんですか...?」
モブリットさんが困ったように立ち尽くしていた。
モブリット「いや、昨日突然ハンジさんにリンの買い物に付き合うように言われてね...。まさか、君も来るとは思わなかったけど。」
2人「.......。」
シナ「あっ!いた!遅れてすみませーん!!リンさんを連れ出すのに時間かかっちゃって。」
「え、えと...ルーカスにモブリットさんも一緒なんですね。私、買い物って言われても買うものなんて...」
シナ「たーっくさん、あるじゃないですかぁ!今日だって、休日だっていうのに、シャツにズボンだし、リンさんはもっと女の子らしい服の方が似合いますよ!ねえ、お二人とも!」
ルーカス「....。」
モブリット「あ...あぁ、そうだな...。」
シナ(ちょ、2人とも!今回はリンさんを休ませ、なおかつ女の子らしさを味わってもらおう大作戦だって言ったでしょうー!!そんな返事してたらリンさんの気分が乗らないじゃないですかぁー!!)
ルーカス(作戦名でだいたいやりたいことは伝わって来るが、俺たち男が必要だとは思えないが...?女の服を買うならなおさら...)
モブリット(た、たしかに...)
シナ(もーーこれだから男はっ!!分かってないですねえ。リンさんには男の人とデートする感覚も味わってほしいんです!!それに、女同士よりも男の人に服装を褒められた方が嬉しいものなんです...!!)
モブリット(な、なるほど...)
シナ(とにかく二人はなるべくリンさんを楽しませ、安らげることに心臓を捧げてくださいね..!!)
二人(わ、分かった..)《びしっ》
シナ(よろしい!!)
二人(あ、あれ俺の方が上官なのに...)
「あ、あの〜。何をこそこそとはなしてるんですか?それに、何でルーカスとモブリットさんはシナに敬礼を...?」
所々イラッとさせるが、全部リンを想ってのことなのだろう。リンが他の男とデートをするための予行練習に付き合うのはごめんだが、あいつの着飾った姿を見られるのは悪くない。
ルーカス「付きやってやるか...」