第11章 自由への意思
ミカエルside
ー壁外調査 当日ー
エルヴィン「只今より、壁外調査を開始する...!!」
エルヴィン団長の掛け声により、私たちは調査兵団と共に壁外へと駆け出した。
医療班は立体起動の訓練を受けていないため、代わりに医療器具を持ち、どこにいても分かりやすいように兵服に白衣を身につけ作戦に臨んだ。
「これが...壁の外の世界...。」
初めて見る壁の外の世界は、永遠じゃないかと思うほど大地と青い空が広がっていた。鳥たちが自由に飛び回り、なんの危険もないようにさえ思えた。
モブリット「おいっリン!気をぬくな!ここは危険な巨人の区域だということを忘れるな!」
「....!!はいっ!!」
モブリットさんの声で我に返った。そうだ、ここは巨人がうようよいる壁外なのだ。少しでもこの人たちを救うためにも...
「気を引き締めなきゃ...!!」
門を出てから、すぐに陣形を広げ、私たちはそれぞれ前進していった。
門を出て10分が経った頃だった。
モブリット「北東から巨人2体接近!こちらに向かって来ています...‼︎」
ハンジ「ニファ、煙弾を!これより、中央に左折しながら進行する...!なるべく巨人との交戦を避けるんだ!」
私が配置されたハンジ班率いる右翼前方は、ハンジ分隊長の指揮のもと、中央に寄りながら全速力で駆けた。
モブリット「ダメですっ!!追いつかれます!!」
ハンジ「エルヴィンになるべく交戦するなと言われたが、やむを得ない...。右を私とケイジで。左はモブリット、ニファ、頼んだよ。アーベルはリンと残りの兵を連れてこのまま中央寄りに進むんだ!」
ハンジ班「はいっ!!」
初めて見る巨人に手が震える。私は巨人の元へ飛んで行ったハンジ分隊長たちが気になり巨人から目が離せなかった。
アーベル「リン!!前を向くんだ!今は分隊長たちを信じて前に進むことだけを考えろ!!」
そうだ、立体起動が使えない私が何かをできるわけじゃない。今は自分にできることをするんだ...!
「はい!!」
アーベル「.....!? 前方から巨人1体接近!!あれ..は..き、奇行種だ!!すごい速さでこちらに来るぞ..⁉︎早く...え、煙弾を..!!」
アーベルさんの声を聞いた兵士が、煙弾を打とうと構えた。しかし、恐怖からか煙弾を落としてしまった。
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