第10章 はじめまして
医療部隊の宿舎は訓練所を挟んで調査兵団の本部の近くに設置された。私たちはそこから、各担当の班へ出向き、毎日の視診や医療行為が必要な場合の対応を行った。
訓練では毎日小さな怪我から致命傷まで多くの患者が出たため、私たちは1日のほとんどを配属の班と一緒に過ごした。
ハンジ「いやぁ〜。リンは本当に話が分かっていいねぇ〜。捕獲した巨人の実験にも協力してくれるし、何より私の話を最後まで聞いてくれるのがいいっ!!」
モブリット「だからって、リンを振り回しすぎですよ..!昨日だって話に付き合わせてリンを宿舎に帰したのは日付けが変わってからなのでしょう...?医療班のリンの体の方が危ういですよ...」
モブリットが呆れた顔でハンジを見る。
ハンジ「アハハハ...、いや..、つい話を盛り上がり過ぎちゃったね..でも、リンはすごいよ..。ただ話を聞いているだけじゃなくて、たまに私でも気づかなかったことに気づくことがあるんだ。私と話した後も、医学やら巨人のことやら勉強をしているようだし、彼女には感心するよ...。てゆーか、昨日リンが遅くに帰ったことモブリットは知ってたんだね?」
ハンジがニヤニヤとモブリットを見る。
モブリット「た、たまたま宿舎に帰る姿が窓から見えただけですよ...!!」
ハンジ「まぁ、そういうことにしといてあげるよっ。私の班は上手く言っているけど、リヴァイの班はまた医務官をクビにしたらしい。全く何をやってるんだか..。」
リヴァイ 「チッ、おいクソメガネ。随分と無駄話が多いように見えるが、報告書はできたんだろうな?」
気だるげにリヴァイが部屋に入ってきた。