第10章 はじめまして
ミカエルside
医療部隊の体裁が整い、本格的に始まろうとしていた。
そして、この日私達それぞれの細かい配属が決まった。
イリス「第一期医療部隊は作られたばかりで、未だ何の成果もない。つまり、この医療部隊に意味を与えるのは私達一人一人の『命への奉仕』だ。それをどう認識するかはお前たち次第だが、決して勘違いをするな。武器を持たない私たちにとって知識や経験、そして認識こそが唯一の戦うための武器だ。これから、それぞれの配属を発表するが、どこに配属されてもそのことを肝に命じて己と向き合うことを止めるな。」
イリス隊長の言葉が胸を熱くさせた。医療部隊の中には、
隊員「何と戦うんだよ...。俺らは巨人を相手にする訳じゃないだろ...。」
などと言っている人たちもいたが、ミカエルはイリス隊長の死んだ瞳の中に確かに宿る想いに心が震えた。
イリス「それでは、発表する。ーーーー。」
一人ずつ名前が呼ばれ、そして配属先が決定していく。
そして、
イリス「リン・キーン。ハンジ班担当だ。」
私の名前が呼ばれた。
ルーカス「ハンジ班...。先鋭部隊じゃねえか...。上の奴らは、お前のことを随分とかっているようだな。しかし、ハンジ・ゾエ...確か調査兵団の変人と呼ばれているやつじゃなかったか..?」
ルーカスが隣で心配そうに私をみる。
「大丈夫だよ!それに、私もよく変わり者って言われるから、気があうかもしれないし!」
ハンジ分隊長..どんな人かは分からないけど、精一杯やろう。
そのあと、ルーカスはミケ分隊長の班へ。
そして、ウォールシーナにいた頃上官だった医務官の男が、リヴァイ兵士長の班へ配属となった。