第10章 はじめまして
リヴァイside
ハンジ「なんだー、聞いてたの。もちろん、できてるよー。私が寝落ちして乱雑になっていた部分をリンがきれいに書き直してくれたみたいだからね。今、終わったとこ!それにしても、あんまり医務官をいじめちゃだめだよ?できたばっかりなんだから。」
あの満月の夜、訓練所にいたやつのことか...。
リヴァイ 「できているのならいい。だが、俺はお前と違って医務官をやたらと振り回してる訳じゃねえぞ。あいつら、中央にいたせいか、俺が一喝したら瞬く間に辞表を置いていきやがった。弱っちくてしかたねえ...」
ハンジ「まあね...。でも何人かは肝が座ってるよ。リンもそうだけど、ミケの所のルーカス・ワグナー。彼はどことなく君に似ているところがあるよね〜。仕事はしっかりとするけど、リン以外とは全然仲良くなる気もないようだってミケが言ってたよ」
リヴァイ「フン、知らねえな。今のところ壁外調査もないんだ。俺は医療部隊なんて必要だとは思わねえがな。報告書はもらっていく。」
俺は医療部隊なんぞには興味もなかった。だが...
リヴァイ「リン・キーン...」
あの満月の日に俺は、不覚にもミカエルとやつを見間違えそうになった。彼女の瞳の色や髪の色のせいだろうか。
名前も姿もミカエルとは違うのに...。
リヴァイ「ミカエル...。俺は今もお前のことを...」
数年かけて自覚した想いを伝える日はくるのだろうか...。
そうして俺は、今夜も月を眺める。