第10章 はじめまして
エルヴィンside
そして、二つ目の気がかりはミカエルのことだ。
ミカエルから過去の話を聞いて、俺はすぐにプレミンジャー家のことを調べた。
だが、情報が少なすぎる。
何か奇妙なものがその正体を鬱蒼と隠しているようだった。
また、ミカエルは地下街である人に助けられたと言っていた。詳しくは語らなかったが、その人はミカエルにとって特別な存在なのだろう...。
まぁ、どちらにせよミカエルがプレミンジャーについてキーンさんと俺にしか詳しく話していないというのは幸いだった。
軽く話してしまったと言っていたミカエルの同期である、ルーカス・ワグナーは成績が良かったこともあり、医療部隊へ入れた。見張る意味でもこうするのが一番いいだろう。
プレミンジャー家のことはまだよく分かっていないが、どうにも危険な雰囲気がある。
ミカエルにもそのことは念を推しをしておいた。
エルヴィン「お前も分かってはいるだろうが、プレミンジャー家については、今後一切他言無用だ。もちろん、ミカエルという名前もだ。プレミンジャー家については私も調べてみるが、話した相手にも危険が及ぶ可能性があると考えたほうがいい。これからは、本格的にリン・キーンとして生きてもらう。それから、偽名や戸籍のことがバレたら危ない。キーンさんには子供はいなかったからな。キーンさんとの関わりも伏せてもらいたい。」
ミカエルはしばらく考えるように黙っていたが、俺の目をしっかりと見て、はいと噛みしめるように答えた。