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【進撃の巨人】月明かりのあなた【リヴァイ落ち】

第9章 赤い再会


ルーカスside

ルーカス「そういえば、お前、また上官に呼び出されて怒られたらしいな。上手くやれって言っただろ...。あいつら、普段はろくに仕事もせず酒ばかり呑んだくれているくせに、説教か貴族のご機嫌とりとなりゃ喜んでやりやがる...。まぁ、この平和なウォールシーナ内なんかで、俺らが働く意味なんかもほとんどないんだがな...」

確かに、今の医務官たちはほとんど仕事をしていないも同然だった。上官たちは昼間から酒を浴びるように飲み、貴族の往診でさえ最近は私たち下級兵がやる始末だ。

俺とリンは、少しでも医学を学びたいとこっそりと兵団の医学書を読んだりと勉強をしているが、上官たちはそんな俺たちに気づき初めているようだった。

「確かに、意味はないかもしれない...。それでもこのウォールシーナ内には地下街がある。私はそこにいる人々を救いたいの...。そのためには、もっと高度な技術が必要なのに...どうして兵団は書物庫を開かないんだろう...」

ルーカス「お前、また地下街に行ったのか..!?はぁ...上官に見つかったら、それこそどうなるか分からねえぞ...。お前の気持ちは分かるが、もう兵団の書物庫はやめといた方がいいだろうな...」

リンの過去については、なんとなくリンから聞いていた。リンとう名前が偽名だということも。

俺は、その話を聞いたとき、リンには自分と同じようなものが見えているように思えた。

俺は、あの人類最悪の日、ウォールローゼの壁の中にいた。医者だった父の使いでウォールマリアから知り合いの医師のもとに来ていたのだ。

結果として、父もそして母も死んだ...。俺だけが生き残った。その事実が痛ましくいつまでも自分を支配した。そんなとき、リンの存在を知った。

彼女は彼女が先生と呼ぶ人物と見返りもなく医療を施していた。俺は、彼女のように強くなりたいと思った。

知り合いの医師のつてで、なんとか医務官になることができたが。
また、リンに会えるとは思わなかった。

まぁ、医務官になる前からお前に惹かれていたことは、口が裂けても言わないけどな...。でも、俺が生きている限り、そばで支えたいと思う...。
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