第8章 そして、選択する
キーンside
キーン「君は、私の立場を知って話を持ちかけたのだろうが。残念ながら、私はもう兵団に関わることはできないぞ...」
エルヴィン「ウォールシーナまでご足労感謝します。私は、調査兵団団長のエルヴィン・スミスと言います。あなたの調査兵団への働きは前団長から伺っています。」
キーン「それで、調査兵団の団長が私に何のようなんだ?」
エルヴィン「あなたに未来を見越した提案があります」
それは、いずれ調査兵団専属の医療部隊を作るために尽力してほしいという内容だった。
中央の医師たちは、金がある貴族たちの元から離れようとしない。だから、ウォールローゼで生活をしている私に、未来の医務官を育て教育してほしいという。
キーン「専属の医療部隊なんて、今の部隊の基礎を変えない限り難しいだろう...。君には、それができる確証があるとでもいうのか...?」
エルヴィン「いえ、これは非常に不確かな提案です。しかし、人類の未来に医療部隊は必要なんです。」
彼は至って真剣とばかりに、揺るぎない目をしていた。
私は、彼の不確かな提案にのった。