第7章 あれから
ミカエルside
キーン先生は付いてきた私を優しく迎え入れてくれた。
私は、今まであったことを全て話した。
先生は驚いていたけど、私のミカエル・プレミンジャーという名前を隠すこと、目立つ髪を短く切ることを提案し、守ると誓ってくれた。
私は、リン・キーンと名乗り始めた。
キーン先生の診療所に着いて2年後、シガンシナ区に巨人が侵攻した知らせがついた。
私は、エレンたちを探そうとしたが、ウォールローゼへと流れ込んできた人々の看護で手一杯だった。私は、エレンたちが生きていることを信じながら、キーン先生の補佐のために駆け回った。
ウォールマリアの多くの民が亡くなった。
ウォールローゼへと逃げ込んだ民たちは、地下街の人々のように食べるものも着る服も十分に得ることもできなかった。
キーン先生は、そんな人々に平等に医療を施した。見返りを求めないせいでか、暮らしは移民たちと変わらないほど貧しかったけれど、それでも私はキーン先生を誇りに思った。
ミカエルはキール医師のもとでリン・キーンとして、メキメキと医学を学んでいった。そして、移民を看護しながら確実な実力をつけていった。
それから、1年後、キーンはある提案をミカエルに持ちかけた。