第5章 地下街の月明かり
ミカエルside
思わず大きな声で叫んでしまった。彼は驚いた顔をしているし...。
あたふたして、ずっと繋ぎっぱなしになっていた手が離れた瞬間私は彼の胸もとに倒れ込んでしまった。
「わぁっ!!あっ...ごめんなさい...‼︎」
反射的に顔を挙げるとすごく近くに彼の顔があった。
月明かりが彼の瞳に反射して一層鋭く、強く光っていた。
「綺麗...まるで雲から出てきた月の光みたい...」
彼の髪を横に流してもう一度見る。
彼の瞳があまりに綺麗で思わず大胆な行動をしていることにも気づいていない。
リヴァイ 「おっ、オイ... 」
「はっ...ごめんなさいっ!!」
私が離れようとすると、ぐいっと引き寄せられる。
リヴァイ 「しばらくなら、こうしてやってもいい...。お前もガキなりに勇気を振り絞って戦って生きてきたんだろうからな」
彼の嘘偽りのないまっすぐな言葉に今まで溜め込んでいたものが全て溢れてきた。私は、彼の胸元でたくさん泣いた。
彼は泣き止むまでじっと抱きしめてくれていた。