第5章 地下街の月明かり
リヴァイside
彼女の真っ直ぐな瞳と言葉に驚いていると、彼女が俺の胸もとに倒れこんできた。
「わぁっ!!あっ...ごめんなさい...‼︎」
どうやら、大声を出したのが悪いと思ったのか、とにかく早くどいて...
「綺麗...まるで雲から出てきた月の光みたい...」
ドクン...
ドクン...
俺の髪をかき分けて、彼女の綺麗な瞳が覗き込んでくる。
リヴァイ 「おっ、オイ... 」
俺は25だぞ。なんだって、こんなガキに...だが...
「はっ...ごめんなさいっ!!」
今は彼女を抱きしめたくて仕方がなかった。
彼女の瞳がどこか寂しそうに見えたからだ。
リヴァイ 「しばらくなら、こうしてやってもいい...。お前もガキなりに勇気を振り絞って戦って生きてきたんだろうからな」
今まで、相当一人で溜め込んでいたのだろう。地下街には孤児なんかが山ほどいるが、彼女の瞳の奥にある影のようなものはその誰とも違うような気がした。
俺は彼女が泣き止むまで彼女を離せなかった。