第5章 地下街の月明かり
リヴァイside
随分と走ったが、もう追っては来ていないようだった。
リヴァイ 「ここまでくれば大丈夫か...」
連れてきた女を確認しようとするが、薄暗くて何も見えない。
引いてきた手だけが彼女の存在を確認する唯一だった。
「あのっ...」
そもそも、こいつはなんで...
リヴァイ 「おい、おまえ、なんで憲兵なんかに狙われてやがる?」
確かに聞こえていて、そこにいるはずなのに答えが帰ってこない。
リヴァイ 「ちっ、さっさと答えろグズ」
「...自由に生きたい..から..」
今にも消え入りそうな、小さな声が聞こえてきた。
リヴァイ 「あ?聞こえねえよ」
「私...自由に生きたいの...!!!!」
月明かりが漏れて、一気に地下街に光が差し込んだ。
だが、まっすぐな目で俺を見る女の顔は、そんな月明かりなんかよりずっと眩しかった。