第5章 地下街の月明かり
リヴァイside
ファーランがヤンの足がまた悪くなったと言っていた。
地下街で生活をしているとヤンのように、日光を浴びていないせいで足を悪くするやつが多い。だが、貴族や憲兵どもは地下街の出入り口を陣取っては、高い金を払えと言ってきやがる。
だから、憲兵どもが酔いつぶれる夜は外に出るには都合が良かった。しかし、あの日だけは違った。
リヴァイ 「クソッどういうことだ!?憲兵がうようよいやがる」
俺が柱で憲兵の様子を伺っていると、声が聞こえてきた。
憲兵「いたらしいぞ!プレミンジャーの旦那の言う通りだな」
憲兵「にしても、可哀想になあ笑 誕生日がくれば貴族の豚どものおもちゃにされるらしいぜ笑 」
リヴァイ 「憲兵は誰かを追っていたようだな。まぁ、それなら今のうちに逃げられるか」
そのときだった。
「あんたは...‼︎」
空が薄暗くて顔は見えないが、確かに子どもの声だった。
リヴァイ 「捕まっているのは、子どもなのか..⁉︎クソッなんだってこうも人数が多いんだ...‼︎」
憲兵が1人、また1人と集まって来ていた。
俺は選択を迫られていた。どうする...。俺1人なら容易に逃げられるが...‼︎
「運命なんて知らない...‼︎私は自分で選んで生きていくんだから...‼︎」
その言葉を聞いた瞬間だった。俺はいつのまにか走り出していた。
自分でもなぜだか分からないが、こいつを救いたいと思った。