第16章 約束
ー約束ー 番外編①
ー壁外調査から帰ってきた日ー
雨の中、俺は調査兵団が帰ってくるのを門で待っていた。ハンジ班は...リンは無事だったろうか...。今回はどれだけの兵士が亡くなったのだろうか...。
モブリット「...。」
それは、イリス隊長が亡くなった壁外調査の一日前のことだった。
モブリット「分隊長!!行かせて下さい!!俺なら大丈夫です!!」
ハンジ「いや、ダメだ。リンにも、巨人に対しての戦闘が不可だと判断されただろう。今回は、ここに残ってくれ。」
俺は、訓練中の怪我により足を怪我してしまっていた。リンに治療をしてもらっているが、今度の壁外調査には同行できないと診断されていた。
モブリット「しかし...!!俺は...!!」
ハンジ「君の気持ちはよく分かる...。だが、君が行くことにより返って周りを危険な目にあわせることになるかもしれないよ?それじゃあ、本末転倒だろう。」
モブリット「...。」
ハンジ「なーに、リンのことなら私が側にいるんだから大丈夫だよ!彼女は君だけでなく、みんなの、希望の妖精だからね。簡単に殺させはしないさ!」
分隊長は笑って俺の肩を叩いて言った。俺は、頭では分かっていても自分を納得させることができなかった。
リンが、リヴァイ兵長のことを気になっているのには、気づいていた。そして、兵長もリンをとても気に入っていることも。
リンがハンジ班と行動するときや、ルーカスが執拗に側にいないときは、なるべくリンと会話をしたり、お互い悩み事を言い合ったりした。
でも、リンは俺のことをただの話やすい上官としてしか見ていないし、リヴァイ兵長の話をするときはいつも嬉しい顔や悲しい顔をした。
モブリット「ただでさえ、出遅れているのに...。」