第16章 約束
リヴァイside
俺は必死に馬を走らせ、王都に向かった。
大切な何かを失うような、そんな気がして胸が苦しく締め付けられた。
王宮の周辺に着くと、いくつかの馬車が道を阻んで、通れそうもなかった。俺は仕方なく馬を置いてとにかく走った。
すると、
ミカエル「リヴァイ兵長...??どうしてここに...?兵長も王都に呼ばれたんですか??」
王宮の前にリンが立っていた。リンは走ってきた俺を見て慌てて呼び止めたようだった。
リヴァイ「リン...!!!お前こそ、もう会食は終わったのか...??無事なのか...??」
俺がリンの肩を掴んで、大声で迫る様に言ったせいか、リンは驚いた顔をしていった。
ミカエル「な、なるほど。...。実は...。」
リンの顔が暗くなり、俺は咄嗟にリンを抱きしめた。
ミカエル「リ、リヴァイ兵長...!」
リヴァイ「何も言わなくていい...!!お前はどうせ、兵団の資金のために行ったんだろう...クソっ...あいつら絶対俺が...」
ミカエル「リ、リヴァイ兵長!!すみません!冗談です...!!」
リヴァイ「.............は?」
ミカエル「すみません...。リヴァイ兵長が私のために、全速力で走って来てくれたのが嬉しくて...つい。兵団の資金のために食事をしたり、話をしたのは本当ですが、あの人たちに何かされたわけじゃないんです...!」
リヴァイ「......。」
ミカエル「正直言うと、食事の後、王の側近の男に部屋に連れ込まれたのですが...医療の話をまくし立てて話して、男には指一本触れさせませんでした!それから、勝手に別れを言って帰って来ていたところなんです!」
私は、王宮での出来事をありのまま兵長に話した。