第16章 約束
リヴァイside
ー帰り道ー
リヴァイ「エルヴィン。まさかお前、本気でリンに娼婦の真似ごとをさせる気じゃないだろうな。」
俺は向かいに座るエルヴィンを睨みつけて言った。
エルヴィン「お前がこの会食に参加したように、上が気に入った兵士を指名するのは、たまにある話だ。それとも、お前はリンだから怒っているのか?」
エルヴィンは挑発するかのように俺に言った。
リヴァイ 「リンは確かに医療兵だが、訓練を受けたわけじゃない。普通の兵士なら、女でもあいつらを跳ね除けることができるだろうが、あいつは違うだろう...!!」
俺は、エルヴィンに言われた言葉にかっとなって、エルヴィンの胸ぐらを掴んだ。だが、エルヴィンはあくまで冷静にこう言った。
エルヴィン「兵団の兵士を守ることは俺の義務だ。彼女を危険に晒すことはしない。それに、すぐにまた会食があるわけじゃない。とりあえず、このことは他言無用だ。」
二人を乗せた馬車が静かに夜道を駆けていった。
だが、数日後、俺が兵士たちの訓練を見ていると、
兵士「痛っ...。誤ってブレードで腕を切ってしまった...。」
リヴァイ「これは、酷いな...。すぐにリンを呼べ!!」
兵士「リン副隊長なら不在です!馬車に乗って何処かに行かれるのを見かけました!」
リヴァイ「...!? それは、いつのことだ...!!!!」
兵士「け、けさのことです。」
リヴァイ「くそ...。もう夕方になる頃じゃねえか...。手当はルーカスを呼べ!俺は、用を片付けてくる...!!」
リン...。なんだって、そんなところにいきやがったんだ...。