第15章 重なってゆく想い
ミカエルside
ハンジ班から離脱して、西寄りに前進している途中で巨人1体に遭遇した。第2期医療部隊が交戦をし、巨人を倒すことができたが、シナが負傷してしまった。
「必ず、助けるから...!!今は前進するよ...!!」
私はシナ抱えて馬を走らせながら、医療班を先導した。
しかし、
医務官「...!?リン副隊長...!!!また巨人が...!!15mはあります...!!指示を...!!」
先程の交戦で力が残っているものは少なかった。それに、まだ新兵の2期にあれを相手させることなどできなかった。
「シナを頼んだよ...!!お前らは北西に全速力で駈けろ!!私があの巨人を誘導する!!」
医務官たちは、反対しながらも私を信じて行ってくれた。
「やるしかない...!!」
私は、巨人の方に向けて馬を走らせた。
だが、巨人は思っていた以上の速さで私に迫ってきた。
私は死を覚悟し、自分の無力さを知っていたのにも関わらず、武器を持たない人間のあまりの弱さに失望した。
巨人が馬を蹴散らし、私に近づいた。足で踏まれるのか...手で潰されるのか...それとも歯で噛み砕かれるのか...絶望の中頭をよぎったのはそんな事だった。
自らの死を悟った瞬間だった。
ネス「もう大丈夫だ...!!!俺らに任せろ...!!!」
声がして、巨人は何人かの兵士によってなんとか倒された。
イリス「リン...。無茶をして...だが、よく頑張ったな...」
イリス隊長が私の元へしゃがんで言った。
「わ、わたしは...助かったんですね...」
ネス「まだだ!!さっきのでかい巨人の影で見えなかったが、小さいのが何体かこっちに向かって来ている...!!医療班はここにいろ!!俺たちで仕留める!!」
そう言って、ネス班長と何人かの兵士は巨人の元へ飛んでいった。
「はっ...。....そうだ!!シナが負傷して...!!他の医務官と一緒に北西に向かわせて...!!」
イリス「大丈夫だ。落ち着け。巨人を発見したとき各方面に伝達を頼んだから、きっと大丈夫だ。だが、お前はもっと自分の命を大切にしろ...!!」
その時だった。ネス班長が向かった方から悲鳴が聞こえ、3m級の巨人がこちらにすごい勢いで迫ってきた。
イリス「リン...!!!危ない...!!」