第14章 初恋
ミカエルside
緊張をしたが、なんとかやり遂げることができた。104期の中には、ウォールマリアが突破されたとき巨人に遭遇し、恐怖を味わった訓練兵もいるという...。それでも兵士になることを選んだ、勇敢な彼らの中に、一人でも調査兵や医療兵を希望する者がいるといいけど...。
??「あ、あの、すみません。」
後ろから声がして振り返った。そこには、7年前に離れ離れになった三人がいた。
「.....⁉︎」
エレン「自分は、第104期訓練兵団所属のエレン・イェーガーです。」
アルミン「同じく、アルミン・アルレルトです。」
ミカサ「同じく、ミカサ・アッカーマンです。」
順に名乗っていった彼らは、面影が残るもののすっかり成長していた。心のどこかで、死んでしまったのではないかと思っていたせいだろうか...ミカエルは無意識に涙をこぼしていた。
エレン「あっ、あの...!!失礼しました!!リン・キーン副隊長!何か、驚かせてしまったみたいで...!!」
突然涙を流した私に三人は驚いていた。そして、心配そうに私を見た。そんな姿が昔と重なって、ミカエルは頭では隠すべきと分かっていたが、涙がとまらなかった。
三人は私が泣き止むのを待ってくれた。
「みっともない姿を晒してしまって、ごめんなさいね。えっと、三人が知り合いにあまりに似ていたから...。気にしないで、忘れて!じゃ、じゃあね...」
私が足早に去ろうとした時だった。
アルミン「いつか本に書いてある海をみんなで見に行きたいって。壁の外の世界には、僕らが知らない自由がきっと広がってるって。だから、それを思うと僕は、いくらでも勇気が湧いてくるんだ。」
私は咄嗟に立ち止まった。それは、三人と離れ離れになる前にアルミンが言った言葉だった。
エレン「お、おい、アルミン!何をいっているんだよ!!」
ミカサ「アル..ミン?」
アルミン「いつかみんなで海に行こうって、あの時僕に言ってくれたよね?......ミカエル姉さん。」
エレン「ミカエル姉さん...だって...?お、おい、何を言ってるんだよ!!」
私はもう我慢ができなくなって、三人に抱きついた。
三人は驚いていたけれど、一緒に泣きながら少し経ってこう言ってくれた。
三人「おかえり。ミカエル姉さん。」