第14章 初恋
アルミンside
僕らを見て、涙を浮かべた副隊長になぜかミカエル姉さんを重ねた。だから、僕は泣き続ける彼女に、賭けをするように、あの日姉さんに言った言葉を発した。
やっぱり、リン副隊長はミカエル姉さんだった。
姉さんは全ては話せないと前置きして、これまでのことを話してくれた。そして、僕らも訓練兵になるまでの話をした。
ミカエル姉さんはカルラさんが巨人に食べられたこと、グリシャさんも見つかってはいないけど恐らく巨人に殺されたことを聞いて声をあげて泣いた。
僕らも、軽くではあるが姉さんの話を聞いて大変な思いをしてここにいることを知った。
だけど、僕はミカエル姉さんが生きていて、また会えたことがうれしくて、何度も確認するように姉さんを見た。
ミカエル姉さんは、とても綺麗になっていた。長かった髪を短く切って、兵服をきていたけれど、希望の妖精と呼ばれるにふさわしい美しさだった。
だけど、
「三人が生きていてくれて本当によかった」
と言って微笑んだ顔は、昔僕たちに向けてくれていたものと同じだった。
姉さんは、ミカエルという名前で呼ばないで欲しいと言って、調査兵団へと戻っていった。名前を隠さないといけないほど、姉さんを狙うやつらは危険なのかもしれない...。
アルミン「今度こそ、ちゃんと守ってみせるから。」
僕の大切な初恋の人が帰ってきた。
僕は去っていく姉さんの背中に、固く誓った。