第14章 初恋
ミカエルside
私は珍しく兵服に身を包んで、足早にエルヴィン団長の元を訪れた。そこには、イリス隊長、ルーカスも揃っていた。
エルヴィン「揃ったな。ここ半年の壁外遠征において、医療部隊は目覚しい活躍を見せてくれた。心から感謝する。そこで、半年後第103期訓令兵を加入させる際には、より多くの人材を獲得したいと思っている。しかし、未だ、医療部隊は歴史が浅いこともあり、人々の認識上でも不確かな存在であるだろう。今回、3名には各訓練所に出向き、医療部隊についての説明をしてきて欲しい。」
イリス「訓練兵との解散式前の接触は、規則違反なのでは?危うく上の議会の方々に、訓練兵の独占や勧誘まがいの行為だと追及されることもあるかと。」
エルヴィン「そのことなら問題ない。以前、ここ1年の調査兵団の生存率をリンが報告書として出してくれただろう。」
「は、はい。」
エルヴィン「その報告書を見た上が、じきじきにそれを許可してくれた。どういう風の吹き回しかは分からないが、これを利用しない手はない。頼んだぞ。」
三人「はいっ!!」
こうして、私たちは分かれて訓練兵団へと向かった。
私は、ウォール・ローゼ南方面駐屯の訓練兵団の担当になった。