第14章 初恋
リヴァイside
あれから、半年が経とうとしていた。リンは、医療部隊の副隊長として、第102期訓練兵団出身のシナたちの立体起動を上手く使いながら、ますます壁外での戦果をあげていた。
だが、立体起動を使えない第1期と、立体起動を使える第2期が合わさった今の医療部隊の編成は大変なものだった。
そのせいもあり、リンが俺の元へ来て紅茶を淹れることも次第に減っていった。
新兵たちへの訓練を終えた俺は、部屋へ戻る途中で食堂で眠っているリンを見つけた。最近では特に、あのルーカス・ワグナーやハンジのところのモブリットがリンを囲うように側にいるため、一人でいるのを見るのは久しぶりだった。
それにしても...
リヴァイ「寝ている顔は、やけに幼いな...。」
リンの寝顔は、やはりどこかミカエルに似ていた。少し伸びた髪を手ではらいながら、リヴァイはもう一度リンの顔を見た。
リヴァイ 「ったく...。こいつは自覚が足りねえ...。こんな所で寝ていたら、誰に襲われたって文句言えねえぞ...」
リヴァイは守るように、しばらくリンの側にいた。この時間だけは誰にも邪魔されたくないとも思った。