• テキストサイズ

星条旗のショアライン

第13章 ソー&スティーブ(MCU/EG if)



(5)

「……!!」
柔らかくて少し冷たいものが唇を塞ぐ。ただ押し付けられているだけなのに触れ合わされるところから怒りだとか憎しみだとか、そういった負の感情が抜け落ちていく感覚。抵抗する間もなく優しく食まれて反射的に肩が戦慄いたけれど、それすらも押さえ付けるみたいに強く抱き締められた。何に……なんて考えるだけ野暮だ。顔が長い髭と髪に埋まっているのだから。
「ん、んぅ」
「……レイン」
次第にキスは遠慮なしに深まっていく。角度を変えて重なり合い続ける熱が唇を開く力でねっとりとこじ開けられたかと思うと、彼の分厚い舌が伸びてきて俺の舌先を僅かに舐めた。驚きのあまり顔を引こうとしたが、がっつりと後頭部を捕らえている掌がそれを俄然許しはしない。
じゅるりと遠慮なく舌の根まで絡まってきた異物は一気に俺の腰と膝を砕いた。そもそも俺は彼に骨抜きだし、体の隅々に電流が走ったような酩酊感は身に覚えがある。
「は……ぁ」
「良い子だ」
「待っ……んん」
あっという間に食べられそうになって、口内をねちっこく掻き混ぜる舌が気持ち良くて、彼と俺の唾液が溢れても卑猥な水音が溢れても止めたくない。止められそうにない。そう思ってソーを抱き返そうと腕を上げた瞬間、後ろから物凄い力で引っ張られた。

/ 263ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp