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星条旗のショアライン

第24章 SSS キャラ×男主(―/30日更新)



★EGソー

「ソー、お酒持ってきましたよぉ」
「レインッ! 入れ入れ!」
大きな鉄製の樽を転がしながら異臭がする小屋の中へ入っていけば見るも無惨に肥えたアスガルドの王子が俺を力いっぱい抱き締めた。見事なビール腹とむちむちの腕に挟まれて身動きが取れない。「樽を置いてからにしてくださいよぉ!」と俺が怒ってようやく解放された。
「なぁ、今日は呑んでいくだろ?」
「呑みませんよぉ、俺はまだお酒呑めませんしぃ」
「あと一年なんだというんだ。いい加減、ミッドガルドに合わせて十八歳になるまで酒を呑まないなんて妙な枷をつけるな。お前は誉れ高き……」
「はいはい、誉れ高き王子の側近。死ぬほど聞きましたその台詞ぅ」
俺を買ってくれているのは素直に嬉しい。しかしソーが酷く傷付いて帰ってきて酒浸りの男になっても、依然として何の力にもなれていない俺は出来損ないの近衛隊長だった。

★LoTコンスタンティン

ジョンのコートのボタンが取れかかっていたので密かにかがっておいたのだが、彼は何故か『ボタンをつけ直した張本人』を捜して奔走していた。おおかた借りを作りたくないから礼をさせろってだけなんだろうけどボタン一つくらい五分もあれば直せるのだからそこまで気に病まなくて良いのに。だから俺はしらを切るつもりでいた。
「レイン、お前がボタンを付けたのかっ?」
「まさか。そんな器用なこと出来ないよ」
「……じゃあ誰なんだ、くそっ!」
「なんでそんなに躍起になってるの?」
「これはまじないだったんだっ! ナイトメアを退ける為の魔除けさ! きちんと直されたボタンに触る奴の夢の中に入り込んで色々と搾り取る低俗な悪魔から守ってやらなきゃならないのに、誰も頷きやしないっ!」
「えっ」
焦った声音と内容に青ざめて固まった俺を見たジョンは合点がいったのか「やっぱりお前だったんじゃないかっ! 時間が無いから今すぐ魔除けを施すぞっ!」といって小動物みたいに震える俺を抱き上げてから慌てて自室へ引っ込んだ。

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