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星条旗のショアライン

第24章 SSS キャラ×男主(―/30日更新)



★Aキャプテン・アメリカ(連載主if)

「それじゃ……また」
通話終了のボタンをタップして溜息をつく。必要な事とはいえ彼とビデオ通話をしないとならないのは苦痛だ。必ず最後にウインクを飛ばされるし反応に困ってムッとするしかない。そうすると彼は「私のフリーマン様」などと欲を含んだ声音で俺を呼んだ。パトロネージュの先に踏み出そうとしている彼に辟易するしかない。
「レイン」
「わっ!」
どこでやり方を覚えたのか、スティーブが背もたれを飛び越えてソファと俺の僅かな隙間に身体を滑り落としてきた。自然と押し出されて転げそうになった俺の身体は彼がしっかり抱え上げて膝に乗せてしまった。一瞬のこととはいえ肝が冷える。柄にもなく声を荒らげるが、冷たい声音に抑制される。
「こらっ! 驚くだろ!」
「レイン、今のは例のエージェントか」
「えっ……うん、そう」
「『私のフリーマン様』と言われていたようだが」
「……これでも困ってるんだ」
「ふぅん」
唇を少し突き出して胡乱気な瞳で見上げるスティーブは、戸惑いながら振り返る俺の首筋に長めのキスを押し付けて「君は誰のものでもないよ」と苦々しく呟いた。

★FAバッキー&スティーブ

屋台で買った棒状の焼き菓子を頬張っているとスティーブが虚ろげな表情で口元を見つめてくる。なんだか食べづらい。ひとくち欲しいのかと思って咀嚼しながら食べ口を差し出すけど全く反応がなかった。反対隣に立つバッキーへ「彼、どうしたのかな」と問えば呆れたように笑って「菓子を何かに見立てちまってるんだろ」と言った。結局よく分からないまま砂糖コーティングでベタつく唇をぺろりと舐めた途端、スティーブの喉が『ごくり』と鳴る音を聞く。

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