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【名探偵コナン】 ある意味、それは。現実逃避。

第7章 ジン





言葉の意味が分からず、首を傾げる。


安「これから何が起こるか知っているんですよね?
ジンがどこにいるのかも、知っていたのでは?」


彼の言葉は少し怒気を含んでいて。

沖矢さんも怒っていたけど、それとは種類が違う気がした。


『何でも知ってるわけじゃないです。』


安「……」


『それに私は、知っていると言ってもほとんど覚えてないんです。』


安「…そうですか。」


そう返して目を逸らした零の表情からは、感情を読み取ることができない。


信用されていないのか、

それともあまり情報を持っていないことにガッカリされたのか。


どちらにせよ、今の彼の様子に愛情は感じられなくて。



(ずるい…)



それが仕事だと言われればどうしようもないけど。

私に価値を感じなくなれば、簡単に離れてしまうのだろう。



〈好きです〉



彼がくれた言葉が、私の胸を締め付けた。




安「咲に3つ、言っておくことがあります。」



そう言われて、再び視線が絡み合う。

逸らすなと言われているようで、私はじっと次の言葉を待った。



安「1つ。組織は貴方が思っているほど生易しいところではありません。

今後何があっても決して関わらないようにしてもらいたい。」


あまりにも強く言われて、今度は私が彼の視線から逃げた。


『関わりたい、とは思ってません…っ』


関わりたくなんかない。
ただ、関わらなければ零を理解できないのではないか、とは思う。


安「貴方が関わることで、大きな問題がいくつも出てくることを理解してください。」


『問題って…』


安「関わって欲しくないんです。」


外した視線を戻すと、彼は変わらず私を見ていた。


その言葉は拒絶のようにも聞こえて
また胸が苦しくなる。


傷付いた顔をしないように、平然を装った。



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