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【名探偵コナン】 ある意味、それは。現実逃避。

第7章 ジン






右手でハンドルを握った零が、左手をシフトレバーに置いて。

今にも車を動かそうとしたとき


私は、自分から零の唇を奪っていた。



安「…っ、!」


両手で顔を包み、少し啄ばむように触れて
ゆっくりと離れていく


目を見開く零よりも、

私の方がもっともっと目を見開いた自信があって。



慌てて口を覆おうとした両手を強く掴まれた。



『…っん、!ぁ!』



ぐっと引き寄せられ、腰を抱かれて。
今度は零から深く口付けられる。



『んんっ…!ふ、!』



自分から行動したのに
零の行動に驚いて一瞬頭が真っ白になる。


熱い舌が口内を動き回り、撫で上げられ

私の舌と絡まり
ぴちゃぴちゃと脳に響く水音が漏れた。


『ぁ、…っん!んんぅっ…!』


角度を変えて何度も何度も塞がれる唇

目を開けると、そこには瞳を閉じた綺麗な顔があって


『…っふ、ぁ、!』


その顔を見ただけで心臓が跳ね、またぎゅっと目を閉じる。


キスだけでびくびくと敏感に反応する身体が恥ずかしくて。


だけどそんなことに構ってる余裕もなくて

頭の中が溶けるような感覚に襲われる。


口を塞がれたまま指先で首筋を撫でられると、零の口の中に甘い声を漏らした。


『んぅぅっ!!』


もう、無理。

ビクつく身体は限界で。


『…れ、っ、…も…!』


お願い、と気持ち良すぎて涙の溜まった瞳で彼を見つめると


一度強く抱きしめられたあと
ゆっくりと身体を離された。



『っ、ぁ、…っは、』


余韻の残る身体をなんとか落ち着けようと、荒い呼吸を繰り返す。


零がそっと頭を撫でて。

その刺激にすらびくついてしまった。


安「…どうして…」


『ごめん、なさい…』


体が勝手に動いた、なんて言えなくて。






安「…僕のこと、好きだと思っていいですか?」





私をじっと見つめたまま、零が言った。





YESともNOとも言えず、視線を泳がせる。


安「…狡い人ですね。」


そう言われて慌てて彼を見ると、困ったように笑っていて。


『零…?』


安「帰りましょうか。」


それ以上は何も言わずに、零は今度こそ家へと車を走らせた。




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