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【名探偵コナン】 ある意味、それは。現実逃避。

第7章 ジン






なんて綺麗なんだろう。

キラキラと瞬く星が、無数に広がっている。



安「連れてきた甲斐がありますね」


目を輝かせる私に、透さんが微笑んだ。






『…零、って呼んで…いいですか?』


急すぎるかとも思ったけど、控えめに聞いてみる。

名前を呼んで話したいと思った。

そうしないと、本音が聞けない気がして。



安「…もちろん。」



そう言った透さんをチラリと見て、視線をまた前に移す。



『零…』


安「はい?」


『零。』


安「はい。」


『零』


安「どうしたんですか(笑)」





『ジンに会った』





そう言った瞬間、時が止まったようで。
笑っていた彼の表情が固まった。


安「…は、?え?」


『話した。』


話した、と言えるような内容ではなかったけど。



安「話したって……何を?」


『…黒いですね、って。』


安「……」


こいつは俺を馬鹿にしてるのか?と思われそうだけど。

嘘ではない。



安「咲。」



ぐいっと、肩を引かれて
しっかりと目を合わせられる。



安「話したんですね?」


『…はい』


安「どこで?何故そんなことに?」



先程の楽しい空気は一切なくなっていて。
このピリピリとした空気は、身に覚えがあった。



『…公園に居るのに気付いて。
出来るだけ見ないように立ち去ったつもりが、バッタリ出くわしたんです。』


思い出して、身体が震えないように注意する。


ここで震えたら、透さんが
…零が、これから先本音で話してくれなくなる気がする。



強くなりたい。



『舌打ちされて終わりました。』



ふふ、と笑って見せる。



安「…。わざとですか?」


『え?』


必死に平静を装う私に反して、零は怒っているように見えた。







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