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【名探偵コナン】 ある意味、それは。現実逃避。

第7章 ジン






『ありがとうございました…っ』

ポアロにはすぐに着いて。
今度はしっかり沖矢さんを見てお礼を言った。


お礼を言い終わったと同時に、先ほどは触れなかった唇が触れて
後頭部を片手で抑えられる。


『っ、!ん!?ぅ!』


驚いて胸を押すけど、びくともしなくて。

入ってきた舌が口の中を荒らすと、びくりと反応する体。


手に力を入れることができなくなる。


『っ、は、!ぁ!おき、っや、さ!』


昨日、こんな風に口内を犯されながら刺激された胸の突起を思い出して、体の芯が熱くなった。



沖「…お仕置きです。」


しばらくして、私の全身から力が抜けたタイミングで唇を離されて。


沖「ちゃんと反省してください。」


そう言う沖矢さんを見つめたまま、乱れた息を整えた。


沖「足りませんか?」

『っ!ちが、っ!!もう行きます!』


私の視線に気付いてクスリと笑った沖矢さんから素早く距離をとる。

私が車を降りると、沖矢さんは「では、また」と言葉を残して車を走らせた。



(なんなの…っ)


これを「お仕置き」と言う意味がわからない。


彼はいつも誰にでもキスするのだろうか。

育ちが海外とか?
あ、FBIだから海外かな…?


(どこの国だろ…)


沖矢さんみたいな人がたくさんいる国を想像して、そんな国あってたまるか、と首を振る。


なんだかぐったりして、ポアロのドアを開けた。




安「いらっしゃいませ。こちらへどうぞ。」


ドアを開けてすぐに透さんから微笑まれて、ほっとする。

誰もいないカウンター席へ案内されて腰を下ろすと、ニコニコしている彼から「何にしますか?」と聞かれた。


『えっと…、カフェラテ、お願いします。』

安「かしこまりました。」


注文をメモする透さんをじっと見つめる。

(なんだろう、癒される…)


安「…終わるまであと1時間ほどなので、待っていてくれますか?」


私の視線に気付いてか、透さんが微笑んだ。


『はい!』


もともとそのつもりだったし、と私も微笑み返す。


だけどその時先ほどのジンのことを思い出して。


あれが。
バーボンのいる世界。


お客さんに呼ばれて立ち去ろうとした透さんの手を、私は無意識に掴んだ。




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