第6章 弱さ *裏
『あむ…っ!?』
顔の横に両手をついて、見下ろされる。
『ゃ、、!』
一瞬あの男を思い出して恐怖を感じたものの、
そんなことよりも安室さんに押し倒されているこの状況への混乱の方が勝って。
心臓が口から飛び出そうだ。
『安室さん…っ!』
安「…ひと月。
ひと月経っても新しい部屋が決まらなかったら、僕の家に来てください。」
『わかりました!』
安「…本当に分かってますか?」
もう何だっていいから、離れてほしい。
このままだと死んでしまう。
私を殺す気なのか。
『わかったから…っ!』
半泣きになって下から安室さんを見上げる。
だけど安室さんは離れるどころか、口元だけで笑うと目を細めて私の唇を奪った。
『んっ、!』
驚いて逃げようとする私の顔に手を添え、深く口付けられる。
意思を持った安室さんの舌が、私の舌を追いかけて絡められ、ぴちゃぴちゃと音を立てた。
『っ、んぅ…っ!』
前にされたときは、すぐに離してくれたのに。
今日はどんなに暴れても離してくれなくて。
『は、っぁ、!ん!』
だんだん暴れることもできなくなって。
びくびく震える体。
頭がくらくらする。
『あ、むろ、、っさ!』
潤んだ瞳で限界を訴えると、熱い視線がぶつかる。
そこでやっと彼の唇がゆっくりと離れていった。
キスだけで力の入らなくなった体を、安室さんに抱えられる。
『わ、!なに…っ』
そして運ばれた先は…ベッド。
うそ
うそでしょ、まって。
『あむ…』
安「零。」
『え、』
安「零って呼んでくれないか。」
そこにいるのはもう、安室さんじゃなかった。