第6章 弱さ *裏
ちょうど話し終わった頃。
コ「あ、安室さん来たみたいだよ。」
コナンくんの視線を辿ると、窓の外に安室さんの車が停まるのが見えた。
お会計を済ませて外に出ると、安室さんに手を振る。
と。
コナンくんにぐいっと手を引っ張られて。
コ「…次から何かあったら、絶対すぐ話してね。」
そう耳元で言ってくれた彼に沖矢さんを思い出して、なんだか笑ってしまった。
『うん、ありがとう!』
そのままコナンくんとは別れて、安室さんの車に乗り込む。
安「…何を話したんですか?」
『ふふ、内緒です。お迎えありがとうございますっ』
コナンくんと話したことで、なんだか気持ちが明るくなって。
そんな私を見て、安室さんも笑ってくれた。
安「今日はどちらへ?」
『あ、友人の家に行っていました。
…それから、マンションに、、』
自分のマンションに行っただけなのに、言ってよかったかな、とチラリと安室さんを見た。
安「マンション…?お一人で?」
案の定驚いた顔をした安室さんと目が合って。
慌てて、友人に付き添ってもらったことを話した。
安「大丈夫でしたか?」
『…だ、大丈夫…じゃ、なかったです…』
安「ですよね。」
少し呆れたように言う安室さん。
自分の浅はかさを感じて、恥ずかしくなった。
安「…ご友人、とは。男性ですか?」
運転して、前を見たまま聞かれる。
『…はい』
なんだか悪いことをした気持ちになって。
だけど、別にやましいことなんて…
そう思ったところで、沖矢さんとのキスを思い出した。
『…っ、』
また、チラリと安室さんを見る。
だけど今回は目が合う事は無く、感情の読み取れない顔をした安室さんはただ前を見ていた。
安「…着きましたよ。」
友人の性別を聞かれたけど、それに対するコメントはなくて。
しばらく無言で車を走らせ、そのまま安室さんのマンションの駐車場に到着した。
いつも通りの笑顔を向けてくれる彼に安心して、車を降りる。
だけど部屋に着くと、
ソファーに座るように言われて。
安「今日のこと、話していただけますか?」
そう言う安室さんの笑顔をみて、
やっぱりいつも通りじゃない、と感じた。