第4章 ストーカー
『っ、ひ、、ぁ』
男「あの男は誰かな?」
男が近付くと同時に後ずさる。
だけど背中はすぐに壁にぶつかり、床にへたり込んだ。
男「君のことは信じてるけど、僕は嫉妬深いんだよ?」
真顔で言いながら目の前にきた男はそのまましゃがみ
私の顔の両側に両手をつく。
男「あの男、邪魔だなぁ?僕たちの間を裂こうとしてる。」
もうわけがわからなくて。
カタカタとただ震えることしかできない。
男「…可愛い。」
ちゅ、と
首筋に寄せられた唇。
ぞわっ、と嫌なものが広がり、涙が溢れる。
男「あの男が来そうだから、今日は帰るね。
だけど、浮気するならあの男は始末しないといけないね?」
ニコリ、と笑うと
「外泊もほどほどに」と言い残して、男はそのまま玄関へ向かった。
始末?
始末、って、?
外泊?
ポロポロと溢れる涙。
——ガシャン!!
その時。
玄関から大きな音がした。
何かを壊されているのだろうか?
『も、やだ…っ』
怖くて立ち上がることもできず、両手で耳を塞ぐ。
暫くして部屋に入ってきた安室さんに、私は抱きしめられていた。