第4章 ストーカー
もう寝ます!
と叫び、先に教えられていた客室へ向かうと、ベッドにダイブした。
後ろで沖矢さんの「おやすみなさい」という声を聞いた気がする。
そしてそのまま眠りについた私は
翌朝、スマホの着信音で目が覚めた。
『…っん、、』
ぼんやりした頭でスマホを操作する。
[おはようございます。今日、時間ありませんか?]
送り主は安室さん。
それを確認したとたん、昨日の出来事を思い出した。
(安室さんのこと好きとか思ってたのに、沖矢さんとキスしちゃった…!!)
幸いというかなんというか、
安室さんとは付き合ってはいないけど。
何時にどこに行けばいいかを確認するメッセージを送信しながら、
自分はこんなに軽かったのか?と頭を抱える。
身支度を整えてリビングへ向かうと、
そこには既に沖矢さんが座ってコーヒーを飲んでいた。
『おはようございます』
沖「おはようございます。早かったですね。」
なんとなく沖矢さんから無駄に距離をとりつつ、勧められて朝食をいただく。
『至れり尽くせりですみません…』
沖「そう思うなら、もう少し距離を縮めていただきたいのですが…」
それはあなたのせいです!!
とは言えず。
沖「おねだりされなければ、もうしませんよ。」
と言って笑う沖矢さんを睨みつけてしまった。
沖「…ご希望でしょうか?」
ジリジリと距離を詰めてくる彼は、確実に楽しんでいる。
『希望してません!おねだりするまでしないでください!!』
咄嗟に叫んだ言葉に目を丸くしたのは私自身で。
『はっ!?違くて!!』
沖「おねだりされるまで我慢しましょう。」
クスクスと笑う沖矢さんに、私はもう何も言えなかった。
『お邪魔しました!』
沖「はい。
今夜ももし自宅に帰るつもりなら、ここに泊まりに来てくださいね。』
そこについては真剣に言われ、頷く。
私はもう一度丁寧にお礼を伝え、
安室さんに会う前に一旦自宅へと向かった。