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【名探偵コナン】 ある意味、それは。現実逃避。

第4章 ストーカー





食事を終えて片付けてから、チーズとワインを楽しむ。

何から何までしてくれる沖矢さんは優しくて。


(なんかもっと、赤井さんのときはワイルドだよね。)


ぼーっとする頭で考えつつ、
目の前でチーズを摘むゴツゴツした手を見た。


(安室さんとは、違う手…)


沖「手フェチですか?」

あまりにもまじまじと見ていたようで、チーズを見たまま沖矢さんが笑った。


『あ、ちが……っくも、ないんですけど。』

沖「おや。本当に手フェチでしたか。」


男の人の手は好きだ。
綺麗で。それでいて力強くて。
守ってくれる感じがする。


『乙女なので。』


酔って締まりのない顔で、へらっと笑いかける。


沖「ですね。」


ふっ、と笑う沖矢さん。
なんだか馬鹿にされた気がしなくもないけど、手フェチが乙女っていうのもおかしいし。

まぁいいか、と
私もチーズを摘んだ。

『ん…っ、おいひー!』

幸せ、とニコニコしていると。
急に近付いてきた沖矢さんの唇が、そっと私のそれに触れた。


『んん!?』

沖「…可愛らしかったので。」


つい、と。
しれっと言ってのける沖矢さんは、何事もなかったかのようにグラスを傾ける。

『!?なんっ、なんでここの男の人はすぐキスするんですか!?』


酔っ払いだと思って!!
これでも記憶は失くさないタイプなのに!!


沖「…聞き捨てなりませんね。他に誰からされたのでしょう?」

意地悪く笑う沖矢さん。

『っ、だ、誰でもいいで…っ』

沖「安室くんあたりでしょうね?」

違いますか?
と言ってまた、口付けられる。

『っ、ん、っぁ、』

先程の触れるだけのものとは違う、深い深いキス。

『っは、ぁ、!んんっ…!』

逃げる舌を強引に絡めて。
隅々まで犯されるその動きに、体が何度もビクついた。


『っ…!は、っ、はぁ、っはぁっ…』


やっと解放されたときには、肩で息をして。
敏感になった体には力が入らない。

『っ、な、に!する、…っですか…!』

沖「気持ちよかったですか?」

『っ!しりません…っ!』

気持ちよかった。
なんて、口が裂けても言えない。


真っ赤になる私とは正反対に、
沖矢さんはまた、何事もなかったかのようにグラスを傾けていた。



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