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【名探偵コナン】 ある意味、それは。現実逃避。

第4章 ストーカー






沖「ストーカー、ですか」

『わかりません…』

話しながら、今夜のことを考えて怖くなる。
戸締りをすれば大丈夫、と自分に言い聞かせるけれど。

沖「安室くんを頼ったんですか?」

『え?』

沖「そんなに震えて。電話をくれれば行ったのに。」

水道の件も、ご馳走するのに。と言われて嬉しくなる。

『安室さんと沖矢さんがいれば、怖いもの無しですね。』

沖「たしかに。」

グラスを揺らしながら笑う沖矢さん。

沖「今夜はどちらに?」

『それなんですけど…帰るつもりです。
戸締りをすれば大丈夫かなって…』

沖「昨日は戸締りをしなかったのですか?」

『したと思うんですけど…、きっと忘れてたんです。』

沖「…賛成できませんね。」


沖矢さんが真顔になる。
でも私にはそれしか道がなかった。


沖「貴方が寝ている間に誰かが部屋に入ったということですよ?」


言われて、はっとする。
そういえば。私は夜中に一度目が覚めていた。


あのとき、部屋に…誰かが、いた…?


沖「…咲さん?」


カタカタと震えだす私を見て沖矢さんが立ち上がる。

沖「すみません。怖がらせるつもりはありませんでした。」

そばに来て抱きしめられて、慌てる。

『わ、ご、ごめんなさい!』

沖「安室くんがなんとかしてくれそうではありますが。今夜部屋で1人にさせるわけにはいきません。」

『でも…』

頼れる人なんていない。

沖「この家は広い。しばらくここに泊まられてはどうですか?」


客室ならたくさん余っています。と言われ、迷う。
だけどあの部屋には戻りたくない。
それが本心だった。


『今夜…泊めていただいてもいいですか?』

沖「そんな泣きそうな顔で言われて断れる男はいない」


了承を意味する言葉を聞き、ほっとする。
本当は怖くて仕方なかった。

『ああ…よ、よかった…』

安心して脱力する私を、沖矢さんは暫く抱きしめていた。








『っ、あ、あの…』


沖「はい?」


そろそろ、離してもらいたい。
でもこれは私のためにしてくれていること。


『しょ、食事…しませんか?』


やんわりと離してほしいことを伝える。


沖「貴方を抱いていると、安心しますね。」


誤解を生む言い方をしてから、沖矢さんは私を離してくれた。



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