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【名探偵コナン】 ある意味、それは。現実逃避。

第4章 ストーカー





安「…怖かったですね。もう大丈夫ですよ。」


話し終えるころには体の震えはなくなっていて。

それはきっと、安室さんがそばに居て、手を強く握ってくれているから。



『あの、お願いしても…いいですか?』


安「はい?」


『部屋の中…に、…』


安「もちろんです。確認します。…咲さん」


部屋をチェックしてほしい、なんて図々しいかと思いながら、でも切実にお願いしようとする。


安「僕が…
俺が警察官なの、知ってるんじゃないのか?」


不敵な笑みを浮かべる安室さん。
…いや、降谷さんだろうか。


安「悪いが…やっぱり、好きみたいだ。」


強く握られた手を、不意に引かれる。
重なる唇に、私ももう認めざるを得なくなった。


(私も、惹かれてる…)


安室さんの…降谷さんの
本心じゃないかもしれない。

安室透、降谷零、バーボン。
私は、彼の秘密を知っている要注意人物なはずだし。

だけど、流されているだけだとしても。
今は流されていたい。

そんな風に思うのは、今置かれている状況の恐怖心からだろうか。



キスを繰り返し、真っ赤になった私を見つめる降谷さんは
私からの返事を求めることはしなかった。














部屋の前に着き、鍵を安室さんに渡す。
鍵を開け、ドアノブを回し…


部屋をくまなくチェックしてもらったけど、結果として誰も居なかった。


『はぁ…っ』


ヘナヘナとフローリングに座り込む。


盗聴器の類も確認してくれたけど、そういったものも無いようだ。



『ありがとうございました…っ』

ひとまず安心した私は、時計を見て慌てる。
時刻は7時半を回ったところ。


『ごめんなさい。安室さん、忙しいのに!』


安「それは大丈夫ですが…」


テーブルに置かれていたメモを見たまま、考え込む安室さん。


安「昨日帰ったときにはなかったんですよね?」

『はい。』


会社には遅刻すると伝えようか。
そんなことを思っていると、安室さんから送ります、と言われた。


そんな迷惑はかけられない、と断るけれど
結局私は身支度を済ませ
彼の車で会社まで送ってもらったのだった。






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