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【名探偵コナン】 ある意味、それは。現実逃避。

第4章 ストーカー






好き…?


『え、?』


またまたー!
と、笑って流せるような雰囲気ではない。


安「すみません…一緒にいると止まらなくなる。」

『な、何言ってるんですか…っ』

安「自分でも…色々と考えることがあるのに、


好きなんです。」



僅かに影の見えた表情は、とても演技には見えない。

だけど。


『安室さん…って…』


だけど、本心だとも思えなかった。


『…降谷さん。』


安「!?」


『偽りの姿で…偽りの恋をするんですか?』


安「なにを…!」


『私の情報が欲しいからですか?』


いつの間にか両手は外されていて。


『…バーボン、と呼んだ方がいいでしょうか?』


安室さんに惹かれている自分に気付いてないわけじゃなかった。
かっこいいもの。
性格も良くて。



安「お前は何者なんだ!」


肩を強く掴まれる。
本性の現れたような彼の言い方に、悲しくなった。



『…何者でも、ないです……』


肩に置かれた手に自分のそれを重ねると、安室さんの力が抜けた。


『ダメですよ。好きなんて…
私だって……そんな嘘吐かれたら、傷付きます。』


笑って見せるけど、安室さんの表情は固いまま。


ああ、ごめんなさい。沖矢さん。
約束は守れそうにありません。


『ー…』



はぁ、とため息を吐く。


恐らく頭の中がフル回転しているであろう彼に、
コナンくんに伝えたことと同じことを伝えた。



だけど、もうこれが夢だとは思えなくなっていた。


私は確かにここに存在している。



安「…」


『信じられません、よね…』


なにも言わない安室さん。

信じてもらえるなんて思ってない。
頭のおかしい奴だと思われただろう。


『…でも、本当です。』


もう会うことはないかな、と思いながら車のドアを開ける。


楽しい時間は一瞬で終わって。


安「っ!咲!」


伸ばされた手が触れる前に、ドアの閉まる音が響き渡った。









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