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【名探偵コナン】 ある意味、それは。現実逃避。

第3章 ポアロ






安室さんから優しく、だけど強い眼差しで見つめられる。


『あの…』

味方にしてほしい、なんて。
ありがたすぎる言葉。

『話したいです。だけど…確認しないといけなくて。』

安「確認?」

『はい。わた、し…っぇ?』

安「咲さん、」

言葉を紡ぐ私は目線を下げていて。
だから、安室さんの影が顔にかかるまで、安室さんが近付いていることに気付かなかった。


安「貴方のことを知りたい。」


熱い視線から目が離せない。
至近距離で見つめられ、息が止まってしまいそうになる。


安「…」


ゆっくりと、彼の顔が近付いてくる。


(…バー、ボン…?)


安室さんじゃない。
彼の本心じゃない。

何故かそう感じた。


『ま…まって!!』


唇が触れるか触れないか。

私は大きな声を出した。




だけど。



『ん…っ!!ぁ、』


安室さんはそのまま私の唇を奪った。

少しだけ入ってきた舌に、びくりと身体を震わせる。


『んん!!』


震える手で精いっぱい身体を押す。
すると、思いの外呆気なく彼は私を離してくれた。


そして私の左腕に優しく触れる。


安「すみません。あまり力を入れないでください。」


心配するその言葉は、私の耳には入るものの頭で理解することができない。


『…!!』


ドクンドクンと音を立てる心臓。

何故、こんなことを?

安室さんとキス…?


(なんのために…っ)


安室さんが私に惹かれているとはとても考えられない。
私の情報を得るために?


安「咲さん?」


名前を呼ばれて顔を上げると、ふわりと頭を撫でられた。


安「力を抜いて。」


私はそこでやっと左腕を心配されていることに気付き、力を抜く。


安「いいこです。」


『なんてこと、するんですか…っ』


拗ねたような顔で睨みつけるけど、何故か嬉しそうな顔をされた。





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