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【名探偵コナン】 ある意味、それは。現実逃避。

第3章 ポアロ






洗い物を申し出たけど、怪我を理由に断られる。

安室さんがコーヒーを淹れてくれたので、私はせめてカップをテーブルに運んだ。

安「ありがとうございます。」

『こちらこそ、ご馳走さまでした!』

まさか、安室さんの手料理を…安室さんの部屋で口にできるなんて思ってなかった。


綺麗に片付いた部屋。

清潔感があって、だけど生活感もある。


(…な、なんかドキドキするな)


空腹で気が回らなかったけど、今この部屋には安室さんと2人きり。

急に意識してしまって、コーヒーを多めに飲み込んだ。


(沖矢さんとも2人きりだったけど…笑)


沖矢さんとはなんかちょっと違う。

ふぅ、と気持ちを落ち着けてチラリと安室さんを見ると、ばっちり目が合ってしまった。


『っ、ど、どうしたんですか?』

安「はは…可愛いなと思ってつい。」


表情がくるくる変わっていたので。と笑われる。

(いつから見られてたの…!)

安室さんのせいで顔が赤くなった気がする。
はずかしい。


安「…咲さん。」

『はい…っ』

安「貴方は何者ですか?」


恥ずかしくて目を合わせていなかった私の表情が固まる。


『なに、もの…?』


安室さんの急な言葉に、空気がガラッと変わったのを感じた。


安「貴方は何を知ってるんですか?」


『あ、』


そうだ。
安室さんは私を不審に思ってるんだった。


コナンくんと沖矢さんに受け入れてもらえて、なんだか全てがうまくいってる気になっていた。

安室さんのことを忘れてたわけじゃないけど…



『私は…、』


コナンくんに話したことを、安室さんにも話そうか。

そう思って口を開いたけど。


(…話さないように、いわれ、た…)


沖矢さんの言葉を思い出す。
コナンくんと沖矢さん以外には話さないように言われた。


安室さんには話したいけれど。

だけど、私を信じてくれた沖矢さんとの約束を、私の判断だけで破るなんてできない。



口籠った私を、安室さんはただじっと見つめていた。


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