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【名探偵コナン】 ある意味、それは。現実逃避。

第3章 ポアロ






男「…くだ、さい…」



『っ、え、…?』



こわい


怖くて席から立ち上がる事もできない。

ゆっくりと近付き、とうとう側にきた男は震える手でカッターを私に向けてきた。


男「お、かね……くだ、さい…」


『お金…?え…?』


どうしよう

どうしよう


頭の中がパニックになる。


「くれない…?」


男の目付きが変わる。


ヤバイ。

ヤバイ。



その時。

梓さんが戻ってくる気配を感じた。



(梓さんが危ない!)


「梓さん!!こないで!!!」


私は咄嗟に男を連れて外に出ようとしてしまい、大声で叫ぶとガタン!!と大きな音を立てて立ち上がる。


男「うわぁ!!」


『きゃあ!!』


私の行動は当然男を驚かせ、持っていたカッターは私の左腕を傷付けた。


梓「咲さん!?」


『っ!だめ!!こっちに来ないで!!』


私を…他人を傷付けてしまったことで男はひどく興奮している。



男「ああああ!!」


『梓さん!!!』


(とにかく梓さんは守らないと!)

何かを考える余裕なんてなかった。
男がカッターを持っている方の手を掴もうと手を伸ばす。


男が私に気付いて、手に持つカッターを振り下ろそうとしたとき、


——ガシャンッ!!!!


男の身体は壁に叩きつけられ、

私と男の間には安室さんが立っていた。



一瞬の出来事で、何がなんだか全く分からない。


分からないけど。


血の滴る左手をテーブルに着き、弾かれたように梓さんの近くに駆け寄ると、手を引いて素早く外に出た。



(安室さんならなんとかしてくれる!!)



放心状態の梓さんを抱きしめ、はっとして警察に電話しようとスマホを取り出す。

コールボタンを押そうとしたとき、それは安室さんの手に阻まれた。



安「もう呼んだので大丈夫です。それよりも手当てを。」


お店の中を覗くと、あの男が気を失っているのが見えた。




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