第2章 工藤邸へ
『なに言ってるんですかっ』
(赤井さんって、チャラいキャラだっけっ?)
沖「咲さんは可愛らしいですよ?」
『もういいですっ(笑)』
本気なのかなんなのかよく分からない沖矢さんを見て、それでも何度も言われると照れてしまう。
可愛いなんて、言われ慣れてないんだから。
沖「…おや、唇に…」
照れ隠しにまたグラスを傾けようとしたとき
不意に、沖矢さんの男らしい指が私の方へ伸びてくる。
それはとても自然な動きで私の唇に優しく触れると、そのまま沖矢さんの口の中に入った。
沖「ポテトサラダ。美味しかったですか?」
子どもみたいですね、と笑われる。
『ちょ…っ!?』
(なに今の色気!!?)
沖「はい?」
顔が赤くなった気がする。
お酒のせいかもしれないけど。
それでも何事もなかったかのように彼が首をかしげるものだから、もう何も言えなくなってしまった。
『…おいしいです!』
沖「はい。クスクス」
楽しそうに笑う沖矢さんを見て
なんだか少し負けたような気分になったけど。
まぁいいか、と首を振り、お酒を飲み込んだ。